38人が本棚に入れています
本棚に追加
そう、それは確かにいつもと同じ朝だった。
魔理沙はいつも通りここ、博麗神社に訪れ、朝っぱらからいろいろとダルい絡みを始めていた。
霊夢はそれをめんどくさそうに対応していた。
霊夢が途中、神社の境内を掃除するために本殿から出てみると(当然魔理沙も付いてくる)、なんと1人の少年がお賽銭箱の前に立っていたのだ。
そして、その少年は2人の目の前でお賽銭箱に向かってある行動を行った。
……お金を投げ入れていたのだ。
それを目撃した魔理沙は、突然先ほどの台詞を呟き、霊夢にげんこつを食らったという状況だ。
まったくっと言いながら霊夢はちょっと怒りため息をつき、魔理沙は自分の頭を押さえていた。
「だってよぉ霊夢……今までに賽銭箱に賽銭入れた奴なんていたか?
こぉんなおんぼろ神社に賽銭なんか入れてもご利益なんて絶対にないって私は思うぜ?」
これを聞いた霊夢は、すぐさま手に持っていた竹箒の先端を魔理沙の頭に叩きつけた。
「アッツァァ!!」
訳の分からない声をあげながら、魔理沙はその場で転げ回っていた。
霊夢はそんな魔理沙など一瞬も気にせず、少年に目先を向ける。
お賽銭箱にお賽銭を入れた少年は、霊夢達の存在に気付き霊夢達の方に身体向ける。
その少年は、あまり背は高くなかった。だいたい160くらいだろう。
長くもなく短くもない丁度良い明るめの茶色の髪。
そしておとなしそうな顔をしている。
その右手には、なにやら長い棒が入ってるかと予想ができる、紫色の筒袋が握られていた。
ごくごく人里にもいるような人だったが、他の人と違う部分があった。
着ている服だ。
この少年は学生服、ブレザーを着ていた。
そんな少年が、霊夢に向け口を開き言葉を出した。
「あなたはこの神社の巫女ですか?」
巫女服を着ているから、霊夢が巫女というのは分かっているのだろうが、一応確認するかの様な言葉だった。
霊夢は男に駆け寄った。
とても機嫌が良さそうだ。
「そうよ!……私の名前は博麗霊夢(はくれいれいむ)よ!
アンタ、見ない顔だけど外来人かなんか?」
霊夢の質問に少年は顔をしかめながら答えた。
「外来人?……あ、確か先生が以前教えてくれた外の世界から来た人か……
俺は外来人とは違いますよ」
「ふぅーん、なるほど。
まっ、外来人じゃないならめんどくさい説明とかいらないだろうし、お茶でも飲んでゆっくりしていきなさいよ」
最初のコメントを投稿しよう!