寂しい嘘

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俺が魔法学院に入学して馴染めないことなんて、最初からわかっていたことだった。 フランブーズの門下生として幼い頃にスラムのギルドから引き取られて以来、フランブーズの魔法使いの卵たちと事あるごとに問題を起こして、魔法使いとして育てられた子供と息が合わないのはまあ、必然というか当然というか。 俺は家族を魔法使いに殺されて以来魔法そのものを忌避していたから、いまさら「魔法を使って国のために尽くせ」と言われても反吐が出るだけだ。 そんな感じで魔法学院で人と関わらず授業もサボりがちになり、気づけば一人ぼっちで中庭の木の下で昼寝をしていることが多くなった。 ちょうど午前の二つ目の授業が終わるチャイムが鳴り、建物の中がざわざわと騒がしくなる。 我ながら寂しすぎる学生生活だとは思うが、自分で選んだことなので同じような考えの奴しかいないクラスにいるよりはましだった。 それに、こんな生活でも楽しいこともある。
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