寂しい嘘

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「レン、やっぱりここでサボってたんですね」 木の影から呆れたような声がかけられ、水色の髪が頭上に影を作る。 上から覗いてきた女の子は、ユフィ。 本名はユニフィアというらしいが、本人の希望でユフィと読んで欲しいと言われてそう読んでいる。 「よお、ユフィ。お前もサボリに来たんだろ?席用意してやったぜ」 「何言ってるんですか、そんなわけないでしょう。レンを連れ戻しに来たんですよ!」 ぷんすか怒りながらもユフィは俺の隣に腰掛けて、次の授業が始まるまで一緒に過ごしてくれるようだ。 俺とユフィは一年生で、入学してから約半年が経った。 俺がクラスで誰とも関わろうとせず授業をサボるのを見かねた担任のレイヴンが、クラス委員長であるユフィに俺の面倒を見ろと言ったのが、俺たち二人の関係の始まりだった。 最初は貴族のお嬢様にやいやい言われるのかとうんざりしていたが、ユフィは話してみれば優しくていい奴で、今ではユフィが話しに来てくれるのを楽しみにしている。言わないけど。
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