あなたがとても優しいので、私は少しだけ泣きそうになりました

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「……オズワルドの優しさ、ですからね。私のこと、慰めようとしてくれたんですよね?ありがとうございます」 「……救われたのは、こっちのほうですよ」 そう呟いたオズワルドの声はとても小さくて、聞き取れずにもう一度聞き返す。 「今、なんて……」 「なんでもないですよ、ユニフィア様。冷えるから、お屋敷まで送っていきますよ」 今日はどうやら無礼講らしく、オズワルドは私の手を取ったまま歩き始める。 「……オズワルド」 小さな声で赤い髪の後姿に声をかけると、彼は「どうしました?」と笑顔で振り返った。 「……いつか、私に幻滅する日がくるかもしれないです。いえ、……きっと、来ます。だから、なんていうか、その……」 そのときは私のことは見捨ててください。 彼と離れたくないからその一言がいえなくて、俯いて言葉に詰まってしまった。 でも自分の本当を知られて幻滅されるぐらいなら、さっさと見捨てられた方が気が楽というものだ。
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