青春したかった

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というのも絵画と揶揄したのには理由がある。 彼女は産まれた時からの先天的な病気によって、左右の瞳の色が違っていたのだった。 右目は皆と同じ黒だが、左目がビー玉みたいに澄んだ青であった。 そういえば昔、明日香がこんなことを言っていた。 「まだ小さい頃、すっごいフリフリのドレスみたいな服をお母さんによく着せられてたのよね。 そしたらさ、滅多にこない親戚が家に遊びに来てね、私のことを見てこう言ったのよ。 『あら、とっても可愛いお人形さんね。どこで買ったの?』」 詳しく聞くとその親戚は彼女を本当に人形だと思ったらしく、明日香が動き出すととても驚いて腰を抜かしてしまったらしい。 明日香はそんなエピソードを憤慨しながらも語ってくれたのだが、俺は、ああ確かにじっとしてれば人形と思うのも無理はないかもな、と内心に秘めていたものである。
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