ただいま。

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「き、恭介・・・僕その、行きたい場所が・・・」 「ん? どこ?」 「服見に行きたいなって」 「あぁ、男物の服持ってないしな」 「え、えっと…」 (お、男物の服で…いいのかな? 汐里・・・) 汐里は知らないといった風にして日向と話をしている。 「そ・・・そう。 一緒に選んで欲しいなーって」 「じゃあそうしようか。」 恭介は決まりっと言って僕の頭をぽんぽんと撫でた。 「それにしても僕、男物の服屋に来たのなんて久しぶりだよー」 「向こうでも女物の服だったのか?」 「理事長が僕の個人書類の性別を女って書いてたんだよ・・・。」 「あ、ははは・・・あの理事長らしいな・・・」 そう、僕は専門学校では普通に男として入学するはずが、理事長の独断と偏見で持って女としての入学に。 バレないようにまた振舞って、なんとか過ごしてきた。 「おかげでこっち帰ってくるときも女物の服しかなくて・・・困ったよ・・・。」 「まぁ、可愛らしいからいいじゃないか。」 「むー・・・」 「どうした?」 「恭介は女の子の恰好した僕と、男の子の恰好した僕、どっちが好きなの?」 「どっちか選ばなきゃだめか?」 「だめ。」 「うーん・・・俺はゆうの全部が好きだからな。」 「はぅ・・・」 恭介・・・よくもまぁそんなことを平然と・・・。 「って、そうじゃなくって真面目に答えてよ!」 「俺はいたって真面目だったんだが・・・」 「全部、とか具体的じゃないもん! そんなんじゃ僕は騙されないからね!」 「じゃあ具体的ならいいのか?」 「え・・・?あ・・・まぁ・・・そうなるかな・・・」 「こほん。」 恭介は一呼吸置いて僕の顔をじっと真面目な顔で見る。 「ゆうの髪型が好きだ。 髪質も好きだ。 さらさらで綺麗な髪。 顔も大好きだ。 いつも表情豊かで見ていて和むし可愛らしい。 首筋も綺麗だし、肩幅も小さくて守ってあげたくなる体系だし、むなもt「ちょ、ちょっとまってーーーー!!!!!!!!」・・・・・どうした?」 僕は、頭から湯気が出てるんじゃないかってくらい、顔が熱くなっていた。
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