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「な、なに恥ずかしいこと言ってくれちゃってるのさ!」
「ゆうが具体的に、って言ったんじゃないか。 まだまだあるぞ。さっきのは外見のほんの一部で、これが全部終わったら今度は内面的なことを「もういいですわかりました! 僕が悪かったです許してください!」・・・わかった。」
あー、恥ずかしい。 まだ顔が熱いままだ。
僕はぱたぱたと顔を扇いで少しだけ涼む。
「そ、それよりも服、選んでよ・・・いまいちわかんなくって。」
「ゆうに似合いそうな服か…」
恭介はうーむ、と言って服を眺める。
「お客様、お悩みですか?」
恭介が悩んでいるのを見かけたのか、店員さんが恭介に話しかける。
「あぁ、この子に合う服を探してて」
「此方の方に・・・ですか?」
店員さんはなぜ?と言ったような顔で僕を見る。
「ミスコンに出るおつもりで?」
「いや、普段着です。」
「え・・・と?」
恭介、困惑してるからもうそれ以上混乱するようなこと言わない方が・・・。
「店員さん、僕男ですよ・・・」
「え!? そ、そうなんですか!? ずいぶん可愛らしい男性なんですね…」
まだ納得できていないのか、可愛らしい男性、なんてよくわからない単語を口にする。
「え、えーと・・・では最近の流行ではこちらの服なんかがオススメですが」
「ゆう、試着してみなよ」
「うん。」
僕は店員さんから服を預かって、試着室に向かう。
あぁ、男の服を着るなんて何年ぶりだろう。3年ぶりくらいだろうか。
似合ってるかな、かっこよく見えるかな?
「どう、恭介!」
「あー・・・」
なにその生返事。
「うん、似合わないことはないよ。」
「なにそれ傷付くんだけど」
「いや、なんかゆうのイメージじゃないっていうか…」
「むー・・・店員さん、他のは?」
「此方なんかどうでしょうか。」
もう一着の服を貰って着替える。
「どうだ!」
「・・・やっぱりゆう、無理に男物の服装じゃなくても・・・」
「無理なんかしてないから!?」
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