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「えーと、君達を職員室に呼んだのは、君たちの普段の寮生活や学校生活から、普通の生活を送るのに支障があるということで、ここに呼びました。 まぁ…多分心当たりはあると思うけど、それを改善するという名目で、新しく設立された氷憐寮に来てもらいます。」
新しく入寮する5人を職員室に呼ぶ。
「はーい」
ひなた君は生返事で了承する。
まぁ、ひなた君に関しては自主的に入寮書を提出してたから彼にとってはたくさんいた入寮志願者の中から選ばれるより確実だったからラッキーだっただろうけど。
「あの」
ちょっとだけ目つきの怖い生徒が僕を呼ぶ。
彼、桐ケ谷将也(キリガヤショウヤ)君は、理事長の問題児リストの中でトップだった子だ。
「集会で言ってたことと違くねースか。なんで入寮書出してない俺が移らなきゃならねーんスか。 しかもコイツもいるし。」
将也君はひなた君を指して言う。
「僕はコイツって名前じゃねーんだけど? お前何様だよ、誰に向かって口聞いてんの?」
鋭い紅い眼で将也君を睨み返す。
「はい、陰向君、喧嘩はしないでね。」
「・・・」
陰向君はムスッとした表情で普段の青色の瞳に戻る。
「まぁでもそうですよねー。俺らも入寮書出してねーのに。」
他の3名も揃ってなんでだよーと言う。
「えっとね、入寮書の提出日1日目から入寮志願者がたくさんいて、選別しきれなかったの。 それで、理事長に報告したら、僕がサポートする寮だから、生活を送るのが厳しい生徒を優先して入寮させるようにって言われたの。」
「で、問題児を呼んだってことか」
将也君がめんどくせーと小声で言う。
「まぁ、そういうことになるかな・・・。 急で悪いんだけど、来週から氷憐寮にみんな来てもらうから、そのつもりで・・・。 それじゃあ次の授業始まっちゃうから、ひなた君以外みんな、この入寮書に書くこと書いて、担任に提出しておいてね。」
皆は無言で入寮書を受け取る。
開始早々、前途多難だなぁ…まぁ、こうなるとは思ってたけどね…
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