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一週間後、入寮書を全員が提出し終わり、転居も完了し、ようやく氷憐寮は寮として、生徒を住まわせる場所となった。
「みんな集まったね。それじゃあこの寮でのルールを説明するよ」
僕はみんなの前でプリントを片手に説明を始める。
恭介も一緒に聞いている。
もちろん、将也君とひなた君も一緒だ。
「この寮には、前の寮と違って個室にキッチンの設備がついていないの。設備であるのは洗濯機ぐらいかな。だから、朝と晩のご飯は基本的に全員ここの居間で食べることになるし、キッチンを使いたいって人は僕に断ってから使うことになるの。」
「昼ごはんは?」
ひなた君が質問する。
「昼ごはんは僕が作ってあげてもいいんだけど、自分で買って食べるって人もいるだろうから、後で作ってほしいって人は僕に言ってね。」
「優さん大変そうだね・・・。」
ひなた君が労ってくれる。
「そんなに大変でもないよ、普段からしていることが人数増えただけだしね。 えっと、それでご飯はそういうことになってて、後は部屋。定期的に僕がみんなの個室にお邪魔するから。」
「は?」
将也君が威嚇してくる。 こ、怖い・・・。
「えっとね、この寮に来たからには生活を乱しちゃったらダメなの。 理事長がこの寮に住むということは、通常の生活を普通に送れるようにすることが目的だから・・・」
「ほかの奴はしらねーけど俺の部屋は綺麗だから。見に来なくていい」
「そういう訳にはいかないんだよね・・・規則だから・・・。」
将也君が納得していない様子だけど、無言になる。
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