問題児集合! 氷憐寮!

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「いってきます♪」 満面の笑みでぱたぱたと手を振り、寮を後にするひなた君。 それと同時に将也君も寮を出ようとする 「あれ、将也君ネクタイは?」 「つけねーよあんなもん。かったるい」 「だめだよ、校則なんだから。ちょっと待っててね」 将也君は「またかよ・・・」とつぶやく。 「それでも怒らないし歯向かわないのは、相手が瀬川先生だからだろ、将也。」 恭介はふふっと笑って将也君の肩をたたく。 「知ったような口すんな」 「知ったような、というより、知っているからね。 あの子は殴れないし、喧嘩を売られない。 みんながそうだったからね。」 「・・・ちっ」 「おーい、早くしろよ将也ー!遅刻すんぞー! あははw」 小バカにしたような口で手招きする陰向。 なぜ将也君に対してあんな接し方なのか・・・。 「おまたせ、ネクタイ持ってきたからこっち向いて。」 優はトコトコと玄関に戻ってくる。 手馴れた手つきで将也君にネクタイを取り付ける。 「ゆう、すごいな。」 「これくらいなんてことないよ。 はい、これでよし。 いってらっしゃい、勉強頑張ってね、将也君!」 笑顔で将也君を見上げる。 「っ・・・はい。」 将也君はそそくさと出て行く。 出て行った先で陰向君に何を言われたのか、カバンを振り回して追いかけていった。 「ゆう、あれ」 「うん。「はい」だって。 敬語、ちゃんと使えるんだね。」 「ゆうには敵わないな、やっぱり。」
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