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-将也視点
「そういえば昨日教室でさー、この前の課題で、班で主題を決めてレポートするっていうのあったじゃん?w」
陰向が隣でペラペラと喋る。
「でねー、なぜかそこでナマコについて調べるって言った子がいてさww、その子が急に立ち上がって言うんだ。 「俺の出した主題に間違いはない!」って。間違いはないかもしれないけどナマコのレポートなんて苦行にしかならないってのー。ってみんなで口論したけど結局ナマコレポートになっちゃったんだw」
よくもまぁこんな話題をペラペラと喋るなコイツ・・・
「ちょっと聞いてるー?」
「なんだよ、横でひっついてペラペラと・・・」
「引っ付いてる訳じゃないよ! えーと・・・そう、道が同じだし!」
「教室までなんてそう距離ねーだろ・・・」
「なんだよー、僕といるのがそんなに不快?」
「普段の俺とてめーのやりとりでわかんだろ普通・・・」
はあ、なんで俺はこんな奴と知り合いになっちまったんだ・・・
おかげでいろんな奴にナメられるようにもなったし、ほんといい事なんてなかった。
思えばこいつとの出会いも散々だったな・・・
-半年前
「ハン、雑魚ばっかだな」
俺は喧嘩ばっかに明け暮れて、気が付けば氷憐高校一とまで呼ばれるぐらいまで喧嘩していた。
だが、それも鬱陶しいことで、氷憐一位の座を狙う奴らや、他の高校の奴にまで俺は狙われた。
「キミ、高校で暴れまくってるんだってねぇ」
そこで現れたのが、女装したひなただった。
いや、この時は度胸があったから、きっと陰向だっただろう。
「誰だテメー。他の奴らと同じで一位の座でも狙ってんのか?」
「そんなのに興味ないけど。同じクラスだし、周りも変な空気になってるからいい加減喧嘩とかやめたら?」
「うるせぇな、テメーには関係ねーだろ。 女はすっこんでろ」
「僕、男なんだけど・・・。」
「は? ・・・じゃあなんでそんな格好・・・」
「似合うから!」
「・・・お前ふざけてるだろ。」
ふざけた、出会い方だった。
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