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それから数日して、俺はひなたの連日の訪問に嫌気がさして、授業に出ることにした。
-教室
「あ!」
「・・・」
「やっと来たナー! まったく、遅いんだよバカ将也」
「っるせぇ!!てめえがいつまで経っても引っ付くから、鬱陶しくて離れて欲しいから嫌々来たんだよ!!」
「またまたー、僕に早く会いたくて来たんじゃないのー?」
「違うっつってんだろ!!」
「おっと」
本気で殴りにかかったが、あっさりと拳を避けられる。
「だめだよー、教室で乱暴は」
クスクスと鼻で笑う陰向に嫌気がさして、自分の席に座る。
遠くで、「ひなたちゃん将也君といつの間に仲良くなったのー?」とか、「大丈夫ー? 痛いことされてない?」とか話しているのが聞こえた。
むしろ俺が痛い目にあったっつーの。 背負い投げだぞ、くそ。
思い出しただけで腹が立ってきた。
「なに~? どうしたの、ニヤニヤして、僕のことでも考えてた?」
「っるせぇ!! お前はいっつもいっつも・・・!!」
「ハイハイ、わかったからそんな鬼の形相で人を見るのはやめて欲しいなー♪」
「・・・」
「仏頂面きもーい」
「おめーは俺にどんな面しろっていうんだよ!!!!」
「笑ってみるといいんじゃないかな?」
目の色的にひなたが優しく答える。
陰向がそう言ったらやらなかったが、ひなたが言ったんだ。
少しだけなら、大丈夫だと思いほんのりと笑ってみる。
「やっぱりきもーい」
「テメェやっぱぶっ殺す」
「あははww ちょ、失礼だよ陰向!」
人格がコロコロと変わっているのが目に見える。
「ほんと、ひなたが可哀想だ。 陰向みたいなクズを抱えてるなんてな。」
「ん・・・? 僕の身を案じてくれてるの?」
「べ、別にそういう意味じゃねーよ・・・あーほら、チャイム鳴ったからさっさと行くぞバカ」
「バカはお前だよバカ将也、もとはと言えばお前がネクタイ忘れたのが原因だろーが!」
陰向が笑ってそう言う。
ほんと、俺はめんどくさい奴に関わりを持ってしまったな、とつくづく思う。
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