ただいま。

4/18
前へ
/37ページ
次へ
「氷憐寮の生徒は5人までしか受付できませんが、今日の午後から僕が寮で受付を行いますので、そちらに来て、申請書を出してもらえればなって思います。 では、僕のお話はこれで終わります。 理事長、後はよろしくお願いします。」 「うむ。 今聞いてもらったとおり、新寮の生徒は瀬川先生の管轄上5人が限界なので、申請は早めに出すといい。もし込み合った場合は私が審査してからの決定となるので、そのつもりで。 寮に関する資料と申請書は後々担任からホームルームにて配布されるので、そちらにしっかりと目を通してから申請するように。」 理事長がしっかりと補足説明をしてから、僕に教師陣の方に行っていいと小さく指示したので、移動する。 「ゆ・・・ゆう・・・!」 「えへへ、ただいま。恭介っ!」 2年ぶりの、再会だった。 「ほんと久しぶりよねぇ。 ユウ、少し背縮んだ?」 汐里が僕の頭をぼふぼふと叩く。 「背は縮まないよ!? 何その屈辱的な感じ!!」 どちらかというと、汐里の身長が圧倒的に伸びていた。 恭介も少しだけ身長が伸びたのかな? 昔よりちょっと顔が遠く感じる。 「お前らうるさいぞ。 一応新学期の開会式なんだから静かにしろ。」 日向が一蹴する。 日向も少しだけ背が伸びて、大人っぽくなったように感じる。 「はーい。」 汐里は楯突くこともなく、言うとおりにする。 珍しいな、汐里がこんな風に食い下がるなんて。 「日向、汐里となんかあったの?」 「ん・・・まぁ・・・少しな・・・。」 日向は少しだけ照れたようにして言う。 僕はなんとなく察知したが、開会式が終わるまではそのままにしていた。 ―職員室 「以上が、一学期の流れになるので、担任は生徒に大まかに説明するように。」 「はい。」 恭介と日向が返事をする。 みんな、夢を叶えることができたんだな、って少しだけ嬉しくなった。 「では、以上解散!」 職員はばらばらとあちこちに歩き出す。 「日向日向」 「ん? どうした優」 「汐里と付き合ってるの?」 「ぶっっふあああああっ!!!!!」 日向はコーヒーを噴出した。 キレイな、虹が架かった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

234人が本棚に入れています
本棚に追加