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「氷憐寮の生徒は5人までしか受付できませんが、今日の午後から僕が寮で受付を行いますので、そちらに来て、申請書を出してもらえればなって思います。 では、僕のお話はこれで終わります。 理事長、後はよろしくお願いします。」
「うむ。 今聞いてもらったとおり、新寮の生徒は瀬川先生の管轄上5人が限界なので、申請は早めに出すといい。もし込み合った場合は私が審査してからの決定となるので、そのつもりで。 寮に関する資料と申請書は後々担任からホームルームにて配布されるので、そちらにしっかりと目を通してから申請するように。」
理事長がしっかりと補足説明をしてから、僕に教師陣の方に行っていいと小さく指示したので、移動する。
「ゆ・・・ゆう・・・!」
「えへへ、ただいま。恭介っ!」
2年ぶりの、再会だった。
「ほんと久しぶりよねぇ。 ユウ、少し背縮んだ?」
汐里が僕の頭をぼふぼふと叩く。
「背は縮まないよ!? 何その屈辱的な感じ!!」
どちらかというと、汐里の身長が圧倒的に伸びていた。
恭介も少しだけ身長が伸びたのかな? 昔よりちょっと顔が遠く感じる。
「お前らうるさいぞ。 一応新学期の開会式なんだから静かにしろ。」
日向が一蹴する。
日向も少しだけ背が伸びて、大人っぽくなったように感じる。
「はーい。」
汐里は楯突くこともなく、言うとおりにする。
珍しいな、汐里がこんな風に食い下がるなんて。
「日向、汐里となんかあったの?」
「ん・・・まぁ・・・少しな・・・。」
日向は少しだけ照れたようにして言う。
僕はなんとなく察知したが、開会式が終わるまではそのままにしていた。
―職員室
「以上が、一学期の流れになるので、担任は生徒に大まかに説明するように。」
「はい。」
恭介と日向が返事をする。
みんな、夢を叶えることができたんだな、って少しだけ嬉しくなった。
「では、以上解散!」
職員はばらばらとあちこちに歩き出す。
「日向日向」
「ん? どうした優」
「汐里と付き合ってるの?」
「ぶっっふあああああっ!!!!!」
日向はコーヒーを噴出した。
キレイな、虹が架かった。
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