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「その反応って図星?」
「ちょ・・・えっ・・・ど、どこから聞いた!?」
日向は噴出したコーヒーを雑巾で拭きながら問いかける。
「いや、なんか二人を見てたらそうなんじゃないかなって思っただけ。」
「す、鋭くなったな、優も・・・。」
「でしょー? 専門学校で鍛えたんだよ。」
「何を学んできたんだよ・・・。」
日向は、はぁと呆れたようなため息を付く。
「日向ー、あんた今日昼は何食べるのよ」
汐里が向かいのデスクから何も聞いてなかったようにして話しかける。
「ん? 食堂でなんか適当なの買って食うつもりだけど」
「んじゃ、ユウも帰ってきたしみんなで近くの料理店に行かない?」
「あぁ、最近出来たファストフード店か・・・俺は別に構わないよ。」
・・・いつもの二人だった。 特別な関係があるからか、昔よりはすごく仲が良いように見える。
「腹減ったし、丁度いいな。 俺はハンバーグとカレーにしようかな」
「あんた昼からそんな重い物二つも食べんの?」
「悪いかよ、腹減ってるんだし。」
「べ つ に ~ ? 悪いとは言わないわよ~? でももうちょっと軽くした方がいいんじゃないのって気はするかしら。」
「あんだよいちいち楯突くような喋り方して。 構って欲しいのか?」
「バッ・・・ばっかじゃないの!! 誰があんたなんかに構ってほしいって言ったのよ!!」
「言ってはいねーけど声のトーンが鬱陶しいんだよ!!」
「鬱陶しいって何よ!! あたしの声が鬱陶しいんならあんたの声は鬱陶しすぎて耳栓するレベルだわ!!」
「耳栓するまで鬱陶しい存在ってなんだよ!! だったらお前は・・」
「ふふっ・・・」
「なによユウ、何がおかしいのさ。」
「いやっ・・・。 二人とも、昔と何も変わってないなって思って。」
「「・・・」」
やっぱり、汐里と日向はこうでなくっちゃね。
高校生活に戻ってきたような気分だよ。 僕は。
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