ただいま。

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「へぇ・・・こんなところにファストフード店できたんだ・・・。」 「2・3ヶ月くらい前に出来たんじゃなかったかしら。 ほら、うちの生徒も来てるわよ。」 氷憐の制服を着た男女ががやがやと店に入ってくる。 始業式だから授業はなく、午前で終わりなので、近場だからこの店に来たのだろう。 「って・・・あれ? ひなた君?」 ちょっと色っぽくなっていて分からなかったけど、小柄で華奢な、見覚えのある顔だった。 「あぁ、こなた、氷憐大学に進学するんだってよ。 優さんが帰って来た時に僕がいないと可哀想とかなんとか言ってたし。」 何が可哀想に思われたのかは放っておいて。 それにしてもひなた君、あんなに友達に囲まれて・・・あ、ちょっと乱暴になった。 陰向君かな? 「あいつもあいつなりに変わろうとしてるんだろうな。」 恭介は嬉しそうに、笑顔でそう言った。 「それにしても皆とこうしてまた会えて嬉しいよ! みんな教師同士っていう立ち位置なのがまたちょっとおかしいけど!」 「そうだなぁ。 優がいなくてこいつは無口になるし。」 日向が恭介を親指で突き立てて嫌そうな顔をする。 「なっ・・・無口になんかなってねーよ! 仕事が忙しくてだなぁ・・・」 「あーはいはい、そういうことにしますわ。」 日向はめんどくせめんどくせって言いながらメニューを開いて注文しようとする。 「ただまぁ・・・ゆうがいなくて寂しかったってのは本当・・・だし。」 「・・・」 恭介が照れくさそうにそういうもんだからびっくりしてポカーンとする。 「な、なんだよ。」 汐里が陰で分からないように笑っていた。 日向もメニューを見るふりして笑っている。 「恭介・・・かわいいっ!!///」 僕はそんな二人をそっちのけにして恭介に抱きついた。 「わっ・・//ちょ、どうしたんだよ急に!///」 「恭介が可愛いこというからこうせずにはいられなかったの!//」 「なんだよそれ・・・可愛・・は・・・・うも・・・」 言葉が途切れ途切れになってよく聞こえなかった。 「んぇ? なんて・・・?」 「ゆうも、2年見ない間にすっごく可愛くなったって!!!! 言ったんだ!!////」 恭介が顔を真っ赤にしてそう言った。 「ぁ・・・・・・うん・・・あり・・・がと///」 僕は照れながらも恭介にくっついて充電し続けた。
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