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「あーもう、あんたらは2年経ってもイチャイチャフィールドを構築するのねぇ。」
汐里がやれやれとメニューを見る。
「イチャイチャフィールドってなんだ・・・。」
恭介が僕をなでなでしながらあっけにとられている。
僕はテーブルを一定のリズムでたたく。
「ん・・・?」
汐里がぴくっと反応して僕をみる。
そう、これは僕と汐里でさっき職員室で決めた秘密の合図!!!
その名もトントンコール!!
・・・そのまんますぎるって?
・・・うるさい//
僕と汐里は長年の付き合い(1年程度だったけど)で、汐里とそこそこのアイコンタクトが出来るのだ!
(汐里もイチャイチャフィールド展開すればいいじゃない♪)
(あんたばかなの? あたしと日向でそんなことしたら周りは「エッ・・・」みたいになるわよ。 異形すぎて。)
(でもでも、汐里も日向とちょっとはイチャイチャしたいんじゃないの?)
(まぁ・・・)
僕はぐっと親指を突き立てていっちゃえいっちゃえ、というような素振りをする。
汐里ははぁ、と軽くため息をついて、メニューを見ながらうなだれる日向にちょっとだけ寄り添う
「あんたカレーとハンバーグにするんじゃなかったの?」
「あぁ・・・それがいざメニューを見るとだな・・・この揚げ物も捨てがたくなって・・・」
「じゃああたしが頼むから、あんたのご飯と少し交換したげるわよ。」
「あ? いいのか?」
「まぁ、揚げ物食べたい気分だったし。」
「そうか? サンキュー、じゃあ頼むわ。 優達は決まったのか?」
日向が笑顔で汐里にお礼を言って、僕たちに注文は決まったのかたずねた。
汐里はちょっとだけ頬を染めて、「その笑顔がズルいのよね・・・」と、日向に聞こえない声で言っているのを僕は聞き逃さなかった。
「うん、僕たちも決まったよ~!」
僕たちは店員に注文をして、しばらく談笑した。
しかしイチャイチャフィールドつくれば? と言ったけど汐里はまったくその素振りすら見えない。
アイコンタクト伝わってなかったのだろうか?
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