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そして。
時間はあっと言う間に過ぎて、ユニゾンの閉店時間となっていた。
あれから、新たな客が来る事も無く、麻美はカウンターに入り浸りで、一樹は神村に悪いと思いながらも、店を出てエレベーター入口へと向かった。
「今日は色々ありがとうね」
送りに着いて来た麻美が一樹に礼を述べた。
「俺は何もしてないさ」
一樹はふっと笑みを浮かべ麻美へ答え、エレベーターの到着を待っている。
その間に麻美がふと一樹に尋ねた。
「今度さ、二人で飲みに行こうか?」
「いいよ。
でも休日前で良ければだけどね」
そう一樹が答えた時、エレベーターが到着した。
「うん・・・
てか、ありがとう。
また来てね」
「おうよ」
お決まりの挨拶を交わした後、エレベーターの扉が閉まり、一樹を階下へと運んで行った。
その扉を見つめる麻美の顔は、少しだけ嬉しそうな表情が浮かんでいるのであった。
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