体をもとに戻したい件について

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「スーパーボールとかになれば? 転がりながら移動できるかもしれないな、歩くより早いんじゃないか? 団子虫みたいだけど。」 「この期に及んでその見解は、どうにも遊ばれてるようにしか聞こえないんですがぁ……。」 「心配するな! 試験結果、とりあえずはお前さんが生き物であることには変わりはないようだ。」 「いや、この状態で生き物だって言われても、今一実感ないっす。」  全くだった。現在の俺の生態上の感覚機関は、丸餅に目と口を付けただけの存在である。  耳は無くても一応聴こえる。穴が二つあれば事が足りるので、鼻は最早どうでもいい部位の一つである。 「いやぁしかし、見れば見る程にモンスターっぽいねぇ君は。どっかのダンジョンに出てきそうな感じがするよ、一階辺りとか。」  確かに、現在の俺の見た目は完全に人としての原型を失っている訳だ。  しかし、人格は人である以上一般男子高校生のそれであって間違いはないはずだ。  脳みそとか諸々どうなったかは知らないが。 「まぁ今回はこれくらいにしとこうか。そろそろ娘も帰ってくるだろうし。 そう言えば、学校はどうしようか? 一応リハビリをすれば、元の身体を保つこともできそうだけど。」
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