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「一応もなにも、これからの生活に不便だから身体は人の形を保ちたいんですが、どうにもこの状態でいる方が、原型的にまとまった感じがして落ち着くんですよねぇ。この方が身体が崩れないし。」
そう、スライムの体には一つ弱点がある。
それは、意識していなければ形がすぐに崩れてしまうと言うことだ。
人の形に変化したとしても、自身が人の身体を意識していなければ、その形が変化してしまうと言うものだった。
「そうか……、つまりは原型がこの状態であるとすれば、君の身体はこのような形でまとまっていることになるなぁ。
いっそこのまま学校通ってみないかい?」
「断固嫌です!」
そこは人として譲れない願いだった。俺は、スライムの頭を左右に揺らして否定する。
「やっぱいやかい? まぁ学校となると、ウチからの距離なら、娘の高校が一番通いやすいな。
この件は娘と相談して決めてくれればいいよ。」
――つまりは、アンタは娘に俺のフォローをさせる気だな。
心の中で俺はそう感じていた。はたから見れば娘に俺のことを丸投げした感じもしなくはない。
つまりは自分の娘に俺を監視させると言うやつだろうと俺は考えた。
――さっきまでの意気込みはどこいった!
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