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目鼻立ちは以外とはっきりしているのに、残念なくらいにその長い髪は乱れている。
何処か半笑いな笑窪を絶やさない、病弱ひ弱にして運痴と三拍子揃った、そんな女子だった。
「東馬のオッサン、俺がこう言うのも何ですが……、大丈夫なんですか? カノジョ……。」
俺はとうとうオッサンに言ってはいけない一言と言うやつをいった気がするが、気にしないことにしよう。
すると、リビング食卓の椅子に向かい合って座る俺にオッサンが感慨深いと言った表情で言った。
「ウチの娘は、性格はあれだけど中身は天才肌で通ってる秀才だよ、将来は家を継いで医者になるんだよね?」
「お父さん、将来の夢は、自宅警備員って言ったはずですよ。」
変なところで滑舌よく喋る女子、それが日野・璃里亜夢だった。
璃里亜夢が、真剣な眼差しで父親の希望を根絶やしにしていると、俺は急に身体が重苦しくなり、人の形を維持できなくなってきたかと思うとそのままさっきと同じ巨大大福餅の形に戻ってしまった。俺が、スライムでできた口を開く。
「あれ? 身体に力が入らない? 何かそう言えば腹が減ったような感じが……。」
この身体にも空腹があるのか今一謎ではあるが、そんな俺に対してオッサンが応える。
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