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「そう言えば、もうこんな時間だし、飯にしようか。」
そう言って、東馬のオッサンが席をたった後、三人で夕飯を頂くことになる。
食卓のカウンター側に俺とオッサンが向かい合って座り、璃里亜夢だけがソファーに座り盆をテーブルに置いて夕飯を頂く。
この家には母親は不在のようだった。
娘と父親の二人だけで暮らしているらしい。
気になって訊いてみた所、どうやら母親は出稼ぎに行ってるらしい。
医者と言っても、家庭は大変なんだろうと俺はそのとき思った。
夕飯を済まし、俺は何気なく東馬のオッサンに問いかける。
「俺って、飯くって良かったんでしょうか?」
「うん、生態的にはなんの問題もないよ。
ただ新陳代謝がなくなってるから、排泄や消化吸収のプロセスが若干違うようだけど。
バイオフィードバックってやつだね。」
――俺が、何気なく訊いた答えがそんな学術的な物に例えられることになろうとは。
少なくとも、こんな身体では毎日が驚きと発見に道溢れていてまず間違いないだろう。
思い悩むスライム形態(巨大大福餅)の俺に対して、東馬のオッサンが話を続ける。
「片付けたら寝床を用意するよ。
当分は、君もウチの家族になるわけだし不自由しない程度にはもてなすよ。」
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