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自身の身体がこれ程おぞましいと感じたのは、生まれてこの方初めての経験だった。
「どうだい、気分は?」
――気分なんて聞いてる場合じゃないだろう!! と、俺は目の前のオッサンに抗議したかった。
腕には痛みがなく、ただ気持ち悪い今の現状に気分が悪くなった。
「コレは、どうすればいいんだ!? 元に戻す方法とか無いのかよ!?」
目の前のオッサンに俺は聞いてみた。すると、オッサンは俺の落ちた手首をベッドから拾い上げると、そのまま俺の腕にベチョッとくっ付けた。
くっ付いたのだった。
俺の手首は、さも元の状態に戻るように、切断面も残さず同化していた。
いよいよ事態の気持ち悪さに自我を保てなくなった俺は、叫んだ。
「ナンジャゴリャアアァ!!!!!?」
「な! 不思議だろ?」
――ソコで、な! っとか言われなくても十分不思議で不快な思いをしたわ!! 等とオッサンに突っ込みたいが、それどころではない。
身体が液状化したのだ。
通常ではあり得ない。
それどころか、その千切れた部位を接合させたのだ。
意図も容易く、さも手品のように。
俺は正気ではいられなかった。
「先生! 早く救急車と病院を呼んでください! ああぁ! 治るのか!? 治るんだよなぁこれ!?」
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