体をもとに戻したい件について

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「ずいぶん気が動転してるようだけど、ここ、一応診療所だし。 とりあえずリラックスしてみようか? 落ち着いて話をしよう。」  オッサンの言うとうりだ。  まずは少し落ち着こうと、俺は震える身体で息を深く吐いた。  すると、俺の身体はあろう事か、息を吐いたその場からドロドロと地面に溶けだしたではありませんか――。  完全にベッドから溶け落ちた身体は、視界を天井に向けていた。  自身の身体がどんな状態なのか、全く分からなかった。 「なぁ、医師のオッサン。 あんた俺の身体で遊んでんだろ!? もう嫌だ、訳が分からん! でもこんな身体で死にたくねぇ……!」  主張だか抗議だか分からない声で、俺はオッサンに叫んだ。  すると、オッサンは俺の液状化した身体の前に立って、高らかにこう宣言した。 「安心しろ! 俺が人生をかけてお前を元の身体に戻してやる!!」  俺はオッサンに少しだけ心を許した。  それでこの身体が治るのかは別として、とにかく俺には、目の前の医師のオッサンだけが全てだった。  体を治してやると言ってくれただけでも、今のこの状況下の俺には何よりの救いだった。 「なぁ東馬さん! 俺、この身体を治すためなら何でもする! だから頼む! 俺の身体を何とかしてくれ!」
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