第1章

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夢を見た。私の視線の先に立つひとりの男性。私に向かって、微笑みかけている。 そばに行きたいのに、からだが動かない。 -------- ----- --- -- そこで、目が覚めた。 夢だったんだ…。誰だったんだろう? 柔らかい日差しが、心地いい。風は、まだ冷たいけど、もうすぐ、春だ。 「おはよう、真緒ちゃん!」 扉を開けて入ってきたのは、由梨子さんだった。 「百合子さん…おはよう」 「体調は、どう?」 「今日は大丈夫だよ、落ち着いてる」 私は、ここの病院に入院してる患者のひとり。小さい時から、体調を崩しやすく、度々、ここに入院している。 百合子さんは、私の担当看護師さん。 小さい時から、私を担当していてくれて、私のお姉さん的存在でもある。 「窓、閉めてね?」 百合子さんが手際よく、血圧を測りながら呟く。 「大丈夫。少しだけ、空気の入れ替えしたいの」
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