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いつもと、変わらない朝。
百合子さんがいて、いつもと同じ部屋、時間が過ぎてゆく。
それは、ずっと昔からのはずなのに…
なにか、物足りなさを感じてしまう。
「...おちゃん、真緒ちゃん、聞いてる?今日は、吉村先生の回診だからね」
「あ、うん」
やっぱり、どこか具合悪いんじゃ…と、心配そうにこちらを見つめる百合子さん。
「大丈夫、ごめんね、百合子さん」
昔は、こうしてることも別に平気だった。これが、私なんだと。
いつからだろう?
ごく普通の、どこにでもいる女の子になれたら…と思うなんて。
学校に行って、友達をたくさん作って、みんなと同じように過ごして
好きな人が出来てデートして、アルバイトもして…
今まで、ホントは、心のどこかで思ってたのかもしれない。気づかないフリをしていただけで…
もう、やめよう、こんなこと考えるの。
私には、出来ないんだから。
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