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体育の授業や、学校行事だって制限されて、今まで、これが私の『普通』だった。
学校と病院、変わるがわるの生活だったためか、友達も少ない。
「そういえば、言ってたわよ。お掃除の西村さん。裏庭の花壇の福寿草、もう少しで咲きそう、って。」
病院の裏手に、小さな花壇があって、お掃除の西村さんが、趣味で手入れしている。私は、そこへ通うのが習慣になっていて、西村さんとお喋りを楽しむ。
西村さんも、昔からこの病院で働いている清掃員。私が、花壇へ通うことになってから、顔なじみになった。
「じゃあ、見に行ってこようかな…」
いい、気分転換になるんじゃない?と、言い残し、颯爽と部屋を出ていく百合子さん。
百合子さんは、『普通の女の子』になりたいっていう私の気持ちに、気づいているようで、いろいろと、気を遣ってくれている。
昔から、ずっと百合子さんだったから、私には、もう、友達のような、お姉ちゃんのような存在なのだ。
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