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花蓮は首を傾げる。
「いや~、だってさ、いつも恵美の悪口は聞くけど、そうなの?とかそうねしか私言ってないと思うんだけど…」
八重子達は少し考えた。
確かに花蓮は悪口は言わず、頷いていただけ。
だがそれは八重子も同じ。
でもそんなことを言い始めれば、悪口を言っていた七海と胡桃だけが悪者になる。
八重子は胡桃と七海が花蓮に怒鳴ろうとするのを制止して、静かに花蓮に言った。
「確かに私と花蓮は頷いただけかもしれない。
でもね、いじめられてる恵美の顔見て何も思わなかった?
何も悪いことしてないと思えた?」
花蓮は俯く。
「それは………思えなかった。
見ているだけって、ずっと苦しかった。
でも悪口言ったり、いじめたりしなくても、何もしていないから、いじめには加わってないって自分に言い訳してた。
悪かったって思う気持ちがどこかにあるのなら、花蓮もいじめてたことになるんだよね。
胡桃、七海、恵美、ごめんなさい。
花蓮、いい子になります!」
胡桃と七海は花蓮の言葉に笑い出した。
でもすぐに二人は笑うのをやめ、恵美の方を向き、恵美は目を白黒させる。
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