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七海は丸っこい目をまばたきもせずに言った。
「ごめんなさい。
私は誰かのせいにしようとは思わない。
最初は貴女のこと嫌いだったから。
でも八重子が戻ってくるのなら、いや、戻ってこないと次机に何されるか分からないし…
とにかく仲良くなる努力はする。
でも駄目だったらその時は許して」
胡桃は恵美をじっと見つめる。
長い睫毛の下できらきら輝く瞳は胡桃の美しさを際立たせていたが、胡桃の凝視には迫力があり、恵美を怯えさせる。
胡桃は静かに言った。
「私、正直言って、昨日までいじめていたのに、今日から友達になるなんて無理だと思う。
それに私、貴女が鈍臭い割に成績良くて先生ウケ良いの、許せない。
今でも好きになれない。
だから…ライバルでいましょう。
私が一度でも貴女に成績で勝てたら、友達になってくれる?
それまではいじめとか一切なしでライバルとして戦うの。
それなら私も自分に言い訳せずに頑張れる。
どう?
まあ、それ以前に私達を許せないから友達になりたくないって答えもありだと思うけど…」
恵美は胡桃達に微笑む。
恵美の細めた目は優しい目をしている。
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