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「それで良いと思う。
私もそんなにすぐに普通に話せるようにはならないと思うし。
まずはライバルからいきましょう」
胡桃は八重子の方を見て尋ねる。
「ライバルから始めたいけど、八重子はそれで良い?」
八重子はニッコリ笑う。
「勿論よ。
でも次、恵美いじめたら、どうなるか分かってるわよね?」
胡桃達は一斉に青ざめた。
八重子の仕返しを心底怖いと思っているのが見て取れる。
指導者に付き従うだけの取り巻きでなくなった八重子は、胡桃達にとって脅威となったのだ。
胡桃達は顔を見合わせて作り笑いする。
「恵美も他の人もいじめないよ!ねっ?」
問いかけた胡桃に七海と花蓮も首を縦に振る。
八重子は口角を上げる。
「じゃあ、約束ね!
指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます!
指切った!」
…もはや、この決まり文句でさえ、胡桃達には八重子が実行しそうに思えた。
でも八重子の見えない所で何かを企む気にはなれない。
胡桃の場合、それは福沢に嫌われないようにするためであった。
でも他の二人は単にこれ以上いじめても良いことがないと悟ったからであった。
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