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放課後、文化祭の出し物決めが行われた。
出し物が決まっている部活に所属している人達は重要な役職からは外され、休憩時間にクラスを手伝うことになった。
外された者の中には私、大隈八重子も入っていて正直ほっとしていた。
茶道部の茶会のことだけを考えるというのは気が楽だ。
話し合いにもとりあえず参加していれば良いのだから。
こういう時に提案するのって本当に苦手だしな…
私はこの時、頬杖をついたまま、話し合いの状況を眺めていたが、
突如として頬杖をやめざるをえない窮地に陥った。
それはこの提案が始まりだった。
「ストーリー仕立ての喫茶はどうかな?
お客さんが会ったキャラクターに聞かれた問いに答えて道を選んで進み、最終的に喫茶に行き着くというのは。
勿論何答えても同じ所に行き着くんじゃ面白くないから、何種類かの喫茶を用意するんだ」
「それってスペース足りる?」
「ロフトある所使えば?
体育館横のプレハブも使えるよね?」
「じゃあ場所そこ取れるか聞いてくる!」
文化委員の中田が教室を走って出ていくと、女子が尋ねる。
「ストーリーどうする?」
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