夢小路

3/20
前へ
/100ページ
次へ
恵美は挙手した。 真っすぐに伸ばした手の先はぷるぷる震え、恵美の緊張が伝わってくる。 恵美は立ち上がると、こう言った。 「ストーリーに関しては、大隈八重子さんを推薦したいです!」 皆が「え゛ーっ!!」とざわめく中、恵美は熱弁を奮う。 「ストーリー書けるということは、こないだの一件で証明されています。 しかも大隈さんが書けるのは、現実味のある話じゃなくて、夢みたいな素敵な話。 喫茶のテーマに合ってると思うんです!」 前の方に座っている男子が異議を唱える。 「でもよぉ、ララ姫がまた登場したら、喫茶の雰囲気台なしだし…」 八重子は口をパクパクさせていた。 …何よ! 私、部活入ってるのよ! 何故、主要戦力として使おうとしてるの!? ララ姫の話なんて、こっちから願い下げよ! 自分達でストーリー考えれば良いじゃない!? 私は部活があるから、クラスの出し物なんて関係ないんだし… 八重子が悶々としていると、福沢がスッと立ち上がり、発言する。 「じゃあさ、監督をつければ良いんじゃない? 何か変な事書いたら怒る役として」
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加