夢小路

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「それ良い!その監督、僕が…」 廊下側の男子がそう言いかけた時、福沢はその男子をギロリと睨んだ。 彼は福沢の睨みに震え上がり、静かになる。 福沢は前を向く。 その目はしっかり皆を見渡していた。 「俺がやる。 席、隣だから相談もしやすいし。 妙な展開は全て阻止する」 八重子はカッとなって立ち上がる。 「ちょっと! 私、部活で茶会するのよ! そんな物作る暇ないわよ!」 福沢は意地悪く笑う。 「文化祭当日と前日は忙しいだろうが、それまでは時間あるだろ。 それに当日参加出来ないなら、その分頑張れよ。 八重子の脚本で良いと思う人?」 福沢の問いに八重子以外皆賛成した。 八重子は渋々認め、脚本を考えることにした。 出し物の大枠が決まると、細かいことも順調に決定していく。 衣装班、食料調達班、大道具班などに分担され、誰が何を出来るかをそれぞれの班で話し合うことになった。 その間、八重子は脚本を必死で考えていた。 監督が一人から二人になり、色々面倒だ。 しかもその二人とは…福沢と胡桃だ。 七つの喫茶室のテーマ決めが特に大変だった。
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