プロローグ

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 一限目の授業が始まり、みんなテキスト、ノートを取出し、一斉に視線を黒板に向けた。 担当が  「えー、テキスト123ページを開いて」 全員が一斉に123ページをパラパラと見開いた。  「では、佐川」 と、担当が言った。すると、  「はい!」 と、佐川は返事をした。  「この問題を答えて!」 と、黒板の前に立った。サラサラと書くと  「はい、正解。」 と、担当は言った。  「さすが、佐川だな。あいつ頭良いし、あいつ東大へ進学するし、尊敬しちゃうな」  成績が下位のトモキには大きな存在なのかもしれない。佐川は  「そんな事ないよ」 と、照れ臭そうに答えたが、クラスで東大への進学は佐川ただ一人で、残りのメンバーは就職する人ばかり。そんなクラスだ。  卒業後のトモキは大手自動車メーカー、ワタルは某大手自動車メーカーの下請け会社への勤務が決まっていた。  そんな会話をしていたら ―キーンコーンカーンコーン―  一限目終了のチャイムが鳴った。
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