3人が本棚に入れています
本棚に追加
眼鏡の男が乗り込みシートベルトを締めると運転席に座っていたブラックスーツの男が丁寧にアクセルを踏み込んだ。
??「ケイン、わざわざ正装してきたのに君も挨拶しなくて本当に良かったのかい？」
ブラックスーツの男はバックミラー越しに後部座席をチラリと見やり、タッチパネルを操作し音楽をかける。
カンサスのCarry On My Wayward Sonが流れる。
ケイン「しつこいぞオタコン、挨拶なら俺は半年前にしっかり済ませた。
今度またおっさんに挨拶に来るのは今回の任務を終えた帰還報告(デブリーフィング)だ」
眼鏡の男が微笑んだ。
オタコン「それなら何で何時もは堅苦しいからって嫌う正装をわざわざしてまで僕の送迎なんてしてくれるんだい？」
ケインは眉間を寄せ、呆れたように言う。
ケイン「オタコン…あんた性格悪くなったな」
ケインのぼやきにオタコンは小さく笑う。
オタコン「ごめん、ごめん。
君がスネークに人並みならない敬意を表してるのは知っているんだ。
だからこそ、こうして来てくれている。
そう、だからこそ、本当に良かったのかと思ってね」
ケインは視線を外さずに何処か遠くを見ているような表情で答える。
ケイン「だからこそだ…」
暫く沈黙が続きケインはオタコンの方を見やって次いで言葉を発した。
ケイン「ハル、俺もおっさん同様にあんたを信頼しているし、頼りにしてる。
宜しく頼む」
オタコンもケインを見やり深く頷いた。
最初のコメントを投稿しよう！