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「あー……つまんねぇ」
教室内を斜に構えて眺めながら、アタシは一人呟く。
――女子高なんて入るんじゃなかった。
下校時間を迎えた校内は俄かにざわつきを見せ始め、女生徒達の揚々とした笑い声が校舎を駆け巡る。
どうにもそれがしっくり来ないアタシは、淡々と繰り返される毎日に辟易していた。
平凡な日常。
それ自体は素晴らしい事だろう。
だが、アタシには物足りない。
それを埋める物が”何か”なんて、探すことすらしないから分からないのだが。
一人残っていた教室には、時計の規則的な音だけが響き渡り、校舎の外にあるグラウンドからは、体育会系部活動の掛け声が響いてくる。
暫し時計の秒針が刻むリズムをぼんやりと聞いていたが、遂には飽きて椅子から立ち上がった。
「帰るか……」
掛け声に釣られグラウンドの外へ目を向けたが、さして興味も持てず直ぐに視線を戻し、見慣れた3年A組の教室を後にする。
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