7人が本棚に入れています
本棚に追加
白色を基調とした石川真奈の在籍するキャバ嬢の待機室は非常に広い。
が。
待ち合いに燻る煙草の煙のお陰で、やに臭い……。
路地裏で煙草を吸う子もいるけど、寒くなったら極力外に出たくない子が大半。
街中みたいに喫煙者と禁煙者に分譲されていないこの待機所は、ヤニが蔓延。
換気扇の意味がない。
煙草を吸わない真奈は、スマホを片手に勝手口に出れば違う御客に電話しはじめた。
「もしもし?久しぶり。うん……。うん」
笑う声、相槌を打つ声。
どれが本物か……。
「団体入ったから。ヘルプについてくれる?」
勝手口から顔を出したボーイは、小声で真奈を呼べば真奈は、オッケーサインを出す。
「ごめん。ちょっと呼ばれたから行ってくるね」
通話終了ーー所要時間3分。
カップ麺が出来る時間に大金が舞い込むかどうかは……女の子次第。
きらびやかなネオンの下で繰り広げられる駆け引きは、時にいざこざも付きまとう。
「呑め呑め!!」
団体さん。ここは、居酒屋ではないですよ。
テンション高くて、はしゃぐのはいいけど他の御客様もいるからね?
ラウンジ、クラブ、その種類によるけど場所によって御客様の層は変わる。
痛客と呼ばれる御客とのやり取りだったり……話しててもやけに距離が近い御客様だっり……通称太客と呼ばれる御客ではなくて、細客通いなのに店外を求めてくる御客のかわし方。
どれも女の子次第だけど、一番はやっぱり女の子の世界。
色々ありますよ。全くないって言ったら嘘になる。
最初のコメントを投稿しよう!