プロローグ

2/3
前へ
/5ページ
次へ
初めに進化の話をしよう。 中世のヨーロッパ。この時代はキリスト教の最盛期であった。 神が人間や動物、海や大地、世界のすべてを作ったという聖書の教えが世の中の常識であり、それを利用して協会は強大な力をもっていた。 協会の教えは神の教え。逆らえるものはなかったのだ。 その体制が崩れ始めたのは17~19世紀。人々は物事を自己の感覚に基づいた理性によって捉え始め、神の世界を理論的に説明できる科学の発達により、神が消えていった。 そこに追い討ちをかけたのが進化論である。 すべての生物には共通の先祖がおり、そこから別々に環境に順応、『進化』していき、今の生態系になったという考えである。 これは聖書にある人間の起源、はたまたは生物の起源すべてを否定した。 こうして正しい意味ではないが、ニーチェの言葉を借りると「神は死んだ」のである。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加