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世界をビルに例えると、現世の上の階には天国、下の階には地獄がある、とかいう発想はすぐに思い付くだろう。
同じビルの階を上に上に辿っていけば、尊くなり、下に辿っていけば、堕ちていく…
この考えは誰もがわかるだろう。
しかし、どうして中々、『隣のビルの同じ階』という発想は浮かんでこないのではないだろうか。
Ａというビルの３階と、その隣のＢというビルの３階。
これが、パラレルワールドである。
さて、そんなパラレルワールドの１つ。
そこは、この現世界から失われたり、消えてしまったり、無くなりかけている『モノ』『コト』で世界が成り立っている。
例えば、空気にはエーテルが満ち、世界には魔法が溢れ、主要な交通機関は鉄道……。
そして、『人情』
という具合に。
最も、近代に生まれ、近代に消えてしまったものばかりなのだが……。
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