第1閉塞 クト駅

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「ミンデン先輩こそ」 スロは笑いながら、ミンデン機関士から、通票(タブレット)を受け取った。 「いやぁ、今日は吹き溜まりがなかったからよかったよ」 「にしては、遅れてますねぇ」 スロはミンデン機関士の横で時計を気にしている、ハウエッセー機関助手を気にしながらボヤいた。 その実、ラッセル車は5分遅れての到着だった。 「マジかっ…ヤバイなぁ、またエンドウ主任に叱られる」 あの主任、時間には厳しいからなぁ、とミンデン機関士はボヤきながら、腕木信号が青なのを確認し、スロットルを引いた。 「んじゃ、時間もあるし、行くわ」 「あんまり慌てて脱線しないで下さいね!救援に行くのは僕なんですから!」 片手を挙げて挨拶するミンデン機関士に、スロは冗談混じりに叫んだ。 「大丈夫、腕がある!」 そういって、ミンデン機関士は笑い飛ばした。 スロは、やれやれ、という具合に肩をすくめると、雪に埋もれたホームを歩き、構内踏切を渡って、ラッセル車と行き違いになるディーゼルカーの機関士に通票を渡した。 「やれやれ、ホームの雪、跳ねねば」 列車が去ったホームで彼は1人呟くのだった。
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