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駅本屋の側にある、小さな物置小屋から雪掻きを取り出したスロは、2本あるプラットホームの縁の雪を流雪溝へ押し込んだ。
雪は山の湧水を流した流雪溝に落ちると、溶けながら流れていく。
それを確認すると、もとあった場所へ雪掻きをしまい、引き戸を開けて、駅務室に戻る。
「…雪払って入ってきてくださいよぅ…。また拭かなきゃいけないじゃないですかぁ…」
ロコに言われたスロは、慌てて外に出て、外套に積もった雪を払った。
「お疲れ様」
もう一度戻ると、ロコはニッコリ笑ってスロを迎えてくれた。
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