第1話

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 1‐A教室 「―――――オオソラ長女!」 「ん…!」  一人の女子生徒が、教壇に立つ若い男性教師に起こされる。  今は、金曜日の放課後である。  部活のないものは、ダッシュで家に帰っている時間帯だった。  しかし、その彼女は、『補習』という名目で居残りさせられていた。 「お前は~…授業中散々ぱら眠っているくせにまだ寝るか!」 「…今日は深夜にツ〇ッターで戦闘機好きの集いをやるので。」  その少女、中々の美少女だった。  整った顔立ち、クール表情。  それが、一番魅力的な少女だった。 「じゃあここの問題!」 「X=±4」 「ついでにコレ!」 「X=2、3」 「これでどうだ!?」 「X=3分の2、6」 「なんで1番授業寝てるやつが全問正解なんだよ!?」 「全部予習してきましたので。」  うがー、と教師の方が頭を抱える。  ある意味で、彼女は『問題児』だった。
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