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「いかがでしたか?
可愛いこどもに貰ったチョコレートの味は」
「ルキ...」
戻ってきたのか
つか
未だ逆立ちでバケツ乗っけてるし。
「もうやめていいぞ」
「ありがとうございます」
言ったら即効やめてバケツしまったけど。
「で、どうでした?」
「ああ、そうだな...初めての感覚だな。
お前以外の手作りチョコで
こんなに美味いと感じたのは初めてだ...すげー満足感。」
「家族」に貰ったものって
こんなに良いもんなんだな。
「...幸せですか?」
「悪魔が幸福論を語るか」
ハッと鼻で笑うが、ルキはそのまま続ける。
「悪魔にだって感情はあります。俺は、あなたに「幸せ」であって欲しいのです」
その言葉に、また少し考える。
友人と集まって騒いだり
双子を預かって育てて
毎日、同じリズムで
毎日、チョコが食えて
毎日、大好きな奴等の笑顔が見れて
そんな奴等に
プレゼントまで貰って
こんなに満ち足りた気分になれている。
うん。
これが、俺の「幸せ」だ。
「...まあ、その顔を見たら、解りますけれど。
...ああ、そうだ。
シン、ハッピーバレンタイン」
満足そうな顔したルキから
ラッピングされたチョコレートを受け取った。
いつも、俺好みのチョコを作り続けてきたルキ。
中身は毎年同じ。チョコブラウニー。
手作りチョコなら一番好きだな。
調子乗るから絶対言わねーけど。
「...これからも、俺のチョコ作れよ?」
「っ、勿論です!」
今年のバレンタインは
最高に幸せな、バレンタインだった。
おわり
おまけ
.....。
「お前、鼻血でてんぞ」
「くっ、至近距離でその笑顔は反則ですよ!!」
「だから、お前、毎回台無しにすんなよ!」
おわり
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