奇襲

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一瞬の間合いでウルグアイの腕を凪落とす。 ウルグアイは自分の状況を把握できていない。目の前にいる化け物の存在を理解するのに必死だったからだ。 健一が触れてはいけない、パンドラの箱が彼だと教えてもらったのは、ただの杞憂だと…だが現実にそれは。目の前に起こっている事実だと認めるしかなかった。 エデン計画…王を超えた次の人間の進化系。健一様が恐れている存在、認めない…認めないぞ…貴様が我らの王を超えるなどと!! 「き、貴様…貴様が~~!!!」 ウルグアイは闇の剣を出現させて、健二めがけて突撃した。 「あり得ん~あり得んのだ~!!」 「遅い…本当に兄さんの部下なの?弱過ぎるよ…」 抜刀姿勢で見えない速度の剣線が幾度も張りめぐらして、ウルグアイは胴体だけになった。 「くっ…これ程とは、さすがご兄弟はお強い」 「さあ、話してもらいます。何故兄さんが僕を?」 「ふっふっふ、そんなの決まってるではありませんか。貴方の存在が邪魔だったのでしょう」 「邪魔?」 「ええ…次元王は剣王を敵視したと思って下さい。貴方は賞金首として狙われ続けます。僕は下の下の最下層部下ですから」 「…………」 突然、地面が溶岩の変色すると、割れた中から現れたのは龍の頭を被った若い青年だった。 「ド、ドライザ様!?」 「独断専行とはな…健二様を賞金首にしてお前の行動は賞賛に直する。だが…誰が接触を許したのだ?」 「も、申し訳ありませんでした!!」 「まあよい…時期が早まっただけの事だ。」 殺意は無い、ドライザのオーラが戦闘でもないのに滲み出ていた。兄さんはこんな化け物を連れて、何をしようと? ドライザは健二に近づき、見下ろす形となったが。 デ、デカイ…三四メートルある肉体を鍛えに鍛えた体だ、龍の顎は鱗が覆っている。 「部下が失礼しました。健二様はお兄様と戦う運命ですから…」 「それって、どういう事ですか?」
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