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一人の少女が、ある神社にいた。その神社は少女の自宅の近所にあった。
だが、神主はおらず、祀りし神も、起源も不明と言う、寂れているものだった。
事実、参拝者もおらず、少女が日参し、自発的に、この神社の手入れをしなければ、荒れ放題だっただろう。だが、彼女のお陰で、この神社は清浄に保たれていた。
少女は『オカルト』に造詣が深く、様々な神話や言い伝え、魔術や法術などにも精通していた。
特に神話は、日本(出雲発祥・記紀神話)、ギリシア、インド(ヒンドゥー教)、北欧(ゲルマン)、マヤ・アステカ、オリエント・バビロニア、何でも御座れ、と言うほどに詳しかったのだ。
早い話が、所謂、『変わり者』だったのだ。
空想好きだし、夢想家で、現実に退屈しきっている。平々凡々が一番だと言いつつも、『非日常』に憧れている。
それについて、『他人にどう思われようと』構わなかったのだが、正直、彼女の夢見がちな性格は、家族や友人達すら、持て余すほどだったのである。
だからなのか。家にいるより、この神社にいる方が好きで、ここにいると何故だか、胸が熱くなるような、それでいて、どこか切ない気持ちになるのだ。
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