ー 伝説への変貌 ー

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  ーこの神社の名は『天明神社』と言ったー すると、少女の全身の肌が、総毛立つような感覚が襲う。もの凄く、嫌な予感がした。 ーザアアアァァァー  と、その時。一陣の風が吹き、少女は空を仰ぐと、忌々しげに顔を歪め、舌打ちした。 「ーしまった………。大禍時(オオマガトキ)だ、闇が、誰そ彼(タソガレ)が来る。あれだけ、婆様に言われていたのにっ!」 数年前に亡くなった、少女の母方の祖母。同居しており、少女の唯一の理解者でもあった。 祖母が言うには、少女は『霊感・霊力』が強く、真面目に修行すれば、一流の『霊能力者』や『陰陽師』になれるほどのものらしい。 まぁ、生来、勉強嫌いな少女は、『修行』する気など、更々ない。勿論、『陰陽道』にも造詣は深かったけれど、『陰陽師』になりたいとか、『霊能力者』になりたいわけではなかった。 「マズイな。闇の眷属どもが、蠢き出す刻限だ。……………グズグズしてたら、『連れて行かれる』。」  少女の考えを裏打ちするかのように、ざわざわと音を立て、闇が迫ってくる。 少女の顔から、血の気が引いていく。
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