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昔読んだ、人類学者の西丸震也(字、あやふや)氏の本に書いてあったエピソード。
うろおぼえ&自分の中で脚色がなされているけど、大筋で-- 戦争が終わって日本も復興、経済大国になった頃、南方の原住民調査のためにかつての激戦地ニューギニアの山中に入った。
そこで原住民と仲良くなって、一緒に生活しているうちに、日没後は彼らが山の中に決して入ろうとしないことに、西丸氏は気づいた。
「なぜ、夜は山に入らない? 危険な野獣とかいるのか?」との問いに、原住民は「野獣はともかく、とにかく気味が悪い。
姿は見えないけど、あちこちから意味不明の人の言葉が聞こえる。
でも、人の姿はやっぱり見えない。
白骨はいっぱいあるから、あれはその白骨の精霊だと思う。
夜の山は生きた人が入る場所ではない」との応え。
「意味不明の言葉ってどんな?」と西丸氏が問うたところ、原住民の応えは「『ガヌバレ』『シカリシロ』と聞こえる。
私たちの言葉ではない」……だったそうだ。
西丸氏は「さもありなん」と感じ入ったそうな。
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