第一章 日常から崩壊への道筋

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それからいつものように雑談したり、詩織さんが紹介してくれた本を読んでいると、気がついた時には一四時を過ぎていた。 「もうこんな時間ですか。仁さんと話すのは楽しくて時間を忘れちゃうんですよね」 「そ、そうですか?」 「ええ。それでですね、図書館の中は飲食禁止なので、外に食べに行きませんか?」 「そ、それって、あれですか! その、一緒に…………ですか!?」 「ええ、まあ。嫌でしたか?」 「そ、そんなわけないじゃないですか! もう、あれですよ、どっからでもかかってこいですよでざますのことよ!?」 「ふふっ。落ち着いてください。日本語、おかしいですよ」 「す、すみません」 嘘だろ。詩織さんと一緒に食事とか、最高じゃん。 いつも休日は昼くらいに起きるから、必然的に昼飯食ってから来てたから、こんなことなかったけど…………こんなことなら早起きしとけばよかったな。 「それじゃあエスコート……お願いしますね」 「エスコート……ですか?」 「はい」 え、ちょっと待って。 詩織さんって天龍寺グループとかいう凄いとこのお嬢様だぜ。 俺なんかが知ってる店じゃ満足してもらえない、よな…………? 「あのですね、俺が知っているところじゃ詩織さんの口には合わないと思うんですけど」 「…………仁さん」 あれ? なんか不機嫌っぼい? 「私は仁さんにエスコートして貰いたいんです。その、こういう時って男の人が先導するんでしょ?」 …………えっと、それってまさか…………、 「それって、その、デートの定番ですよね?」 「ご、ご想像にお任せします」 マジっすか? っていうか、よく見ると頬が赤いような気がするけど…………勘違いじゃないよな?
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