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「…………あ、あはは…………」
な、なにやってるの、俺!!
なんで詩織さんの手を握ってんだよ!?
あれか、焦りすぎて欲望のままに行動しちゃったのか!?
…………き、嫌われた、か?
「その、すみません! すぐ、すぐに離しますから!!」
「だ、だめっ」
「……………………え?」
今、なんて言った?
俺の耳が正常なら『だめっ』って言わなかった?
「あ、えぇと、あの、ですね……」
詩織さんは顔をほんのり赤く染めながら、囁くように、
「寒いんです。そう、寒いんですっ。ほら、私、着物のまま出ちゃったから…………その、だから、手…………握っててくれませんか?」
「は、はい」
し、幸せすぎる。
心臓がバクバクって脈動しまくってるよ。
こんなに幸せでいいのか?
その内、埋め合わせでとびっきりの不幸がやってくるんじゃねえの?
「あったかい…………です」
「そうですね」
もしそうだとしても。
今はこの手の中にある幸せを噛み締めていてもいいよな?
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