第一章 日常から崩壊への道筋

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なんとかしてこの場を沈めようとしていたら、静さんがにやにやしながら、 「はいはい。修羅場はあとにして、注文しちゃおうか」 「くそ。他人事だと思って楽しんでやがるな」 「他人事だもん」 …………四十代でだもんが似合う女性も珍しいよな。 「あの、それではしおラーメンを一つ」 「俺も詩織さんと同じので」 よし。このまま誤魔化せ――― 「さて、仁さん。覗きについて、詳しく聞かせてもらいますよ」 「あ、あはは…………」 ―――駄目でした。 「詩織、詩織。いいこと教えてあげる」 十六夜は静さんと同じように、にやにやと笑いながら、 「仁ってうなじフェチ―――」 「どわああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 い、十六夜にこれ以上喋らせてたら、俺の株が急降下しちまうっての…………ッ!! 「うなじ?」 「きっ、気にしないでいいからな!? 十六夜の戯れ言だから! ホント無視しちゃっていいから!!」 「お風呂上がりの私のうなじに視線が集中―――」 「それ以上は勘弁してください!!」
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