第二章 たった一人の軍隊

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「自分が馬鹿だって自覚できてたんだ?」 「いや、十六夜の『馬鹿』はあいさつみてえなモンだし、気にしてもしょーがねーだろ」 なっ!? 「そんなわけないでしょ、馬鹿!」 ……………………………あ。 「はい馬鹿いただきました~」 「いっ、今のは違うのよっ。あれはそういう馬鹿じゃなくて、えっと、とにかく違うのよ、馬鹿ぁ」 「はい、二馬鹿追加っと」 「…………、」 「お、おい、なに笑顔で包丁持ち出してんだ、馬鹿!!」 なによ。仁だって『馬鹿』って言ってるじゃん。 「そーいえば昼の件、詳しく聞けてなかったっけ」 「はい?」 私はできるだけ『狂気的』っていうか『ヤンデレモード(?)』みたいな表情を作りながら、甘美な響きさえ感じる声色でこう言った。 「洗いざらい白状しないと―――ヤッちゃうよ?」
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